9月9日 改造マーシャルにまつわるお話
 
    EVH
 やっぱり『改造マーシャル』というと、まずEddie Van Halenの登場が衝撃的でした。1978年の、衝撃のサウンドは色褪せていないどころか、今だにギタリスト達の憧れの音だと思います。ラジオで「You really got me」がかかると、ボリュームを上げて聴き入ってしまうのは僕だけではないでしょう。当時、インタビューで“Variacで電圧を上げて使っている”とか言っていたけれど、実際は「89」にセットしていたというのは80年代後半になって暴かれていました。
 そして、初期の頃から「Jose Arredondo」という人がEddieのアンプに手を加えていると言われていましたが、実際、アルバムやツアーパンフには必ずと言っていいほど「Special Thanks to Jose Arredondo」とクレジットされていました。
 Jose Arredondoといえば、僕は1987年にGITへ行くために移住してきた際、すぐに彼を探そうとしてみましたが、当時はまったくなす術がなく、結局Melroseに店を構えていたSoldanoに頻繁に出入りするようになって、いくつかアンプを改造してもらったという経緯があります。あと、当時ロスでは、Lee Jacksonもアンプ改造師として有名で、誰も彼もが彼にオーダーしていました。

Paul Gilbert
 話は変わって、GITの学期の初日のオリエンテーションでの事。
沼澤尚さん(当時PITの講師)とティム・ボガードがステージに上がったんですが、そこにひょろーーーっとした若いギタリストが、70年代と思われるとても古いマーシャルを手に持ち楽屋口からステージに出てきて、それをマーシャルの4X12の上におもむろにおきーの、電源コード差しーの、スピーカー・ケーブル差しーーの、スイッチとスタンバイを同時にばしっっとオンにしーの……見ていたら生音でバキバキとギターを弾いている様子。なんともさりげに……。俗にいうスケール練習での指のWarm Upかと思ったら……爆音になるにしたがってよく聴こえてくる壮絶な早弾きっ!(@@);; (アンプが暖まってくるのと同時に音が少しずつ聞こえてくるあの感じ、わかるよね!?)インギーフリークが多く見られた当時の生徒達の目の色が変わったのは言うまでもなく、皆の目は釘付け! そして、その3人のジャムはそれはそれは壮絶かつ圧倒的で、僕もはっきりいってたまげた! アメリカはとんでもない国だとただただ思ったね。
 後日聞いてみたら、そのアンプはLee Jacksonが改造したもので、そのひょろーっとした若者は当時19歳になったばかりでGITを卒業して先生になったばかりのPaul Gilbertでした。
 その後、学校では11時から5時まで、ポールは部屋で生徒達とずーーっとジャムっていたから、僕も頻繁にテープレコーダー持参してその部屋に出入りしていたけれど、彼のギターに対する情熱にはただただ頭が下がる思いでした。だってずーーと弾いていたから! よくLoudnessの曲を弾いていたのも印象的でした。昼は一日中生徒とジャムって、夜はRacer Xのライヴ、なんて日もしょっちゅうだったなあ。ちなみに、その部屋の幾つか隣りでは、Scott Henderson師匠が同じ様にオープン・カウンセリングというクラスをやっており、僕はこの2つのクラスに入り浸っていました^^

Scott Henderson
 Scott Hendersonといえば、僕が元々、六本木にあったANNという学校に通っていた当時、たまたまジャーニーのニールがギターを弾いているというのでJeff Berlinの初ソロ・アルバムを聴いていたら、その中の1曲で壮絶なソロを弾いている曲があって……(@@)!! クレジットを見たらScott Hendersonだと……。調べてみたらHollywoodのGITで講師をしていることがわかり、ロス行き決定という流れになっていたのです! ^^;

Jose Arredondo
 いつも通り、話は大幅にそれましたが……。Jose Arredondo……出会う事なくこの世を去ってしまいましたが、その後、運良くJoseが改造したMarshallが突然売りに出され始めたのですが、僕はメシよりも優先に買い漁っていきました。今まで20台以上は手に入れて研究してきましたが、Bognerでその成果が発揮されています。
 そうそう、先日Chicagoに住む知り合いで、Joseの妹と話す機会があった方と話をしてたんですが、どうやら“Joseが残したノート”というものがあって、そこには“Eddie Van Halenは、1stアルバムではMXR-Distortion +を使用していた”という記述があったそうです!! 思わす緊迫してしまいました^^。
 
   
Variac(変圧器)


Jose改造マーシャル


マスター・ボリュームのノブがプル出来ます。その音は正にブラウンサウンド!


Arredondoの自筆サイン。


     
  9月25日 L.A.での出会いにまつわるお話
 
    EVHとBrian
 うちのすぐ近所のガスステーションでのこと、Bognerで働くSeanの友人のBrian(Singer)が給油していると、そこへ黒のメルセデスが来て、降りてきたのはなんとEddie Van Halen! Brianは“Hey Ed ! How are you doing !?”と声をかけた。Eddieは“(どこかで会った事あるのかなあ、、)Hi,Whatzup”と答えた。よくある光景……。でもBrianは続けた。“Hey ,What's up with your Band ? Working on the new songs or what?”Eddieは給油しながらシンガーがいないからインストを書いていると答えた。すかさずBrian、“俺 Singerでさっ、すぐそこに住んでいるからすぐCDを持ってくるよっ”と言ったら、Eddieはぬあんと『一緒にいくよ』とついてきた!(@@);;
 本当についてきたEddie、アパートに入るとカウチに座りPlayBoy誌に目を通し、そこに会ったLes Paulを生音で弾きだし、彼が取り出した自分のCDに耳を傾けて“なかなかだよ。電話番号頂戴よ”って
言って帰っていったそう。
 Brianのその後、この話を皆に言っても“嘘ぶっこいてんじゃねーよっ!”って相手にされず、Eddieが座ったカウチとギターには触れず、Eddieからの電話もこない……。面白い話として友人の間で広まっている^^

Toshiとの出会い
 1987年夏、GITへレジストレーションしに行った日に、一階のホールのステージでは眼鏡をかけてヒゲを生やした日系らしきギタリストがバンドでプレイしていて、僕はしばらくその彼のプレイに耳を傾けていました。その夜、偶然その日に声をかけてきた日本人が“高校時代の友人がいるから遊びに行こう”と誘ってくれたので、彼の車でNorth Hollywoodへ走ること約10分、ドアを開けるとそこには昼間ステージで見た彼がいて“Toshiです、よろしく〜っ”と。それ以来、Toshi(柳俊成)との交流が始まりました。
 Luke、Landau、Jeff Beck、EVH、Scott Henderson、Dan Huffなどの影響をモロに感じさせる彼のプレイは、まだサウンド面では未熟ながらも他の人にはない光る物を持っていました。
 その後、彼のフュージョン系インスト・バンドのライブに何回か足を運んでいましたが、お客さんは両手で数えられる程度。しかし、忍耐強く続けているうちに、対バンで知り合った“Cecilia Noel and the Wild Crams”というバンドに参加することになり、毎週月曜日にあの“The Baked Potato”にレギュラーで出演、毎週満員でそれはそれは素晴らしい演奏でL.A.の耳の肥えたお客さん達を大いに沸かせていました。(僕が一番大騒ぎしていたかも^^;)
 そのお客さんの中にはあのLukeも数回見られ“とぉぅし〜っっっ、いええ〜っ、ふぁあ〜くっめ〜んっ!!”と、その壮絶ソロ・プレイに大いに盛り上がって声援を送っていました。Luke、やっぱり素晴らしい人です!
 高中正義さんや小原レイさん、厚見玲衣さんなど、日本からのアーティストやレコード会社関係者がL.A.にいらしていた時にも、彼のライブでその姿を多数見かけました。
 4〜5年間毎週レギュラーで日本人が出演するというのは、後にも先にも彼だけでしょう。現在でも彼は不定期ですが“The Baked Potato”などでその溢れんばかりの才能を爆発させています! L.A.に来る機会があったら是非足を運んでみてくださいね。 
     
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